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投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2010-11-25 14:35:21 (1115 ヒット)

昨日(11月24日)、

(社) マンション再生協会主催のセミナー 「マンション大規模改修・耐震改修研修会」 

が、水道橋にある 住宅金融支援機構内の「すまい・るホール」で開催されました。

 〇マンション耐震診断と耐震改修

 〇マンション大規模改修・管理組合の取り組み

 〇マンション大規模改修、診断・計画・設計の実務

 〇マンション大規模改修、設備の劣化と改修の実務

 〇マンション大規模改修の実際と事例紹介

以上の各テーマを、午前10時から、午後4時まで長い時間にわたり、充実した内容のセミナーでした。配布された資料も立派なもので、とても有意義な内容でした。

私のような技術に疎いマンション管理士にとって、こうしたテーマのセミナーは知識を研鑽する上で大変助かります。

12月には、同様に「建て替え」をテーマにしたセミナーが予定されているので、楽しみです。

         ※今日の曲: 「未明の街角」 題名をクリックして聴いて下さい。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2010-11-22 19:15:30 (25328 ヒット)

 

マンション敷地内に、自転車やバイクを違法に止めたまま、何日も放っておく違法駐輪。 マンションにお住まいの方なら誰でも、その迷惑さがお分かり頂けると思います。

 

普通、こうした違法駐輪に対しては、 「このまま無断で、自転車を、ここに放置し続けた場合、捨てられた物として処分します。・・・〇〇マンション管理組合」 等 の警告文を、その自転車等に貼り、マンションの掲示板にも警告文を掲示する等して、相当の期間(2~3ヵ月)待って、役所とか業者に、有料(或いは無料)で処分して貰う。といったところでしょう。

 

たいていの場合、違法駐輪車に対しては、処分までの手続き(警告や掲示)を淡々と行えば、それほど心配しなくとも、後から持ち主が出てきて 「俺の自転車どこへ捨てた?!」 などとクレームをつけられる心配はない、と思います? 

 

ところが、中には、悪質な、とんでもない悪意に満ちた計画的な違法駐輪も有ったので、ここでご紹介しておきたいと思います。それは私にとって、史上最悪の違法駐輪事件でした。(まあ、こんな事は滅多にないと思いますけど。)

 

それは、都心の新築の高層マンションでの事でした。季節は冬、年末も押し迫った頃のことです。 その当時、私は、そのマンションの管理を委託された管理会社の担当者として働いておりました。

 

そのマンションは住居が約350世帯、店舗や事務所も30件ある複合用途型でしたので、管理事務所の他に防災センターもある24時間管理体制でした。

 

夕方、暗くなった頃、私は防災センターで職員や警備員と談笑していましたが、そこに、女性の居住者が訪れ、「エントランスの真ん前に、バイクが止められてるわよ、邪魔でしょ、早く退かせたら」との剣幕でした。

 

早速、警備員と見に行きました。そのマンションのエントランスは玄関扉が幅5メートル、高さも3メートル以上と立派な大きさで、玄関前のスペースはトラックが2~3台は置けるくらいの広さです。

 

そのスペースの真ん中にバイク(というより、ミニバイク・原付自転車といった代物)が放置されていました。

 

取り合えず、「違法駐輪禁止! 持ち主の方は直ちに撤去して下さい。」と張り紙を貼付し、敷地の隅へ移動させました。

 

「明日までには持ち主が撤去してくれるだろう」と、私も警備員も思っていましたが、翌日、その翌日、更にその翌日も放置されたままでした。その間、居住者からの引っ切り無しのクレームで参ってしまいました。

 

「違法駐輪者になめられてるぞ!」 そう言われれば、正にその通り。 近くに交番があるので、お巡りさんにも相談したところ、「警察は民事不介入だからね~。違法駐輪はマンションの敷地内でしょ。公道ならば、区が持ってたりするけどな~。」 という、予想通りの、警察は関わらないという回答でした。

 

「本当はこんなことしちゃいけない!」 と思いつつ、その夜、警備員と2人でミニバイクを、表通り(即ち公道)の方へ運んじゃいました。 

 

この通りは、しょっちゅう違法駐輪の取り締まりを行っており、このまま放置されるならば、役所の方で片付けてくれる可能性は極めて高いと期待しました。

 

ところがです。翌日マンションへ行って、驚かされました。

 

公道へ出したはずのミニバイクは、再びエントランス前に在り、更に、あろうことか、建物の雨水排水管(いわゆる雨どい)に、鉄製のワイヤーロック錠でつながれているではありませんか。

 

ようするに、建物につないで固定している! 頑丈なワイヤー錠を切断しない限り、動かす事さえ出来なくなっていました。

 

「これは故意だ。悪質な嫌がらせだ。しかも犯人は計画的だ。公道へ持って行かれたことへの仕返しか? ひょっとすると、何かもっと悪いことを企んでるのかもしれない。」 そう思いました。

 

今度こそ、警察もこの有様を見れば、何らかの措置を取ってくれるだろう。そう思い交番に助けを求めに行きました。

 

お巡りさんに説明し、「近くなので、現場を見て下さいよ」 と、マンションに連れてきました。

 

「なるほど、悪質な奴がいるもんだ。なるほど、なるほど。」 と、状況を見ながら納得するばかり。 「納得されても困るんです。これはもう犯罪じゃありませんか?」 と言ったんですが、 「う~ん、これは民事だな! 建物に疵をつけてはいないし。何か事件性がないとね~。警察としては直ちに介入は出来んね~ 」

 

残念ながら、やはり警察は介入してくれません。しかし、ナンバープレートの番号を控え、登録してるはずの役所(浦和市)の方へ、持ち主が誰かを照会してくれることになりました。 それは大きな前進です。

 

持ち主が判明すれば、半分は解決したようなもの。 ところが、お巡りさんから、その照会に対する回答を聞いて、また更に驚かされました。

 

浦和市からの回答では、このミニバイク!盗難を理由に、すでに廃車手続きが取られていたのでした。

 

「盗難されたミニバイクならば、これは正に警察の守備範囲。これで持ち主が分かりますね。盗難届を調べれて、所有者に連絡して、持って帰らせて下さい」 と、お巡りさんに頼みました。

 

「いや、ところが、警察の方で調べてみたんだが、このミニバイクに関する盗難届けは、出されていないんだ」

 

「え? それはどういうことですか? 盗難届けを出さずに盗難廃車するって、そんなのありですか?」

 

「う~ん、普通は無いけどね。 中には、要らなくなったバイクをどこかに捨てておきながら、盗まれたなどと嘘の理由をつけて、役所で廃車の手続きを取る、という奴もいるらしい。 バイクを処分する費用はかからないし、税金もかからなくなるし。 役所の方では、盗難届けを警察に出してなくとも、バイクの廃車手続きはできる。盗難というより紛失を理由にといった方が正しいかな。」

 

「それはずるい! 法の抜け穴ですか? こいつは知能犯ですね。 それを聞いたら、きっと真似する者が出てきちゃいますよ!」 と、私は憤慨しました。

 

「まあ、確かにずるい奴もいるな~。 でも、取り合えず、このミニバイクについては、浦和市役所の担当官の方から、廃車した本人に連絡を取って貰うように頼んだから、いくらなんでも、市役所から言われれば、あのミニバイクを片付けるだろう」

 

私は、お巡りさんに 「いろいろとお手配いただいて有難うございました」と、お礼を述べ、 そして、ミニバイクがエントランス前から消えるのを待ちました。

 

ところが、3日、4日と経っても、持ち主は片付けに来ない。

 

さすがに「もう行きたくないなー」 と思いながらも、私は また交番へ行き、お巡りさんに訴えました。

 

「未だ誰もミニバイクを片付けに来ませんけど、市役所の担当官は本当に相手に連絡してくれてるんでしょうか? 私、毎日あのバイクが気になってよく眠れないんですけど」 と泣き言まで言っちゃいました。

 

お巡りさんは、気の毒に思ってくれたようで、その場ですぐ、交番から市役所へ電話をかけてくれました。

 

しばらく電話で話しをしていたお巡りさんは、突然、受話器を持ったまま私の方を振り向き、「市役所の方では、間違いなく、ミニバイクの持ち主と連絡が取れてるそうだよ。持ち主は、すぐにバイクを取りに行くと言っていたそうだが・・・」

 

ウソだ! バイクの持ち主か、それとも市役所の担当官か、どちらかがウソをついている。 そう思い、私は、お巡りさんから受話器を受け取って、取り合えず、市役所の担当官と直接 電話で話しをしました。

 

「マンションを管理している岸本といいます。よろしくお願いします。ところで、持ち主は未だ現れないんですが、本当に連絡は取れてるんですか?相手は間違いなくバイクを片付けに行くと言ってるんですか?」

 

「確かに持ち主本人に連絡してますよ。取りに行くと本人が言っているのだから取りに行くはずですが。」

 

「でも、未だ現れません。連絡すらありません。このままバイクを放って置かれるようだったら、私はどうすればいいでしょうか? バイクにはナンバープレートも付いたままですよ。盗難廃車なんて嘘ですよ。まだバイクがあるのに役所は持ち主に税金かけなくていいんですか?」

 

「とにかく廃車の手続きは済んでしまっています。 持ち主も、バイクにまた乗るつもりなら、いずれ現れるでしょうよ。 その後に役所の方へも再び登録の手続きに来るんじゃないですかね。 こちらとしても強制はできませんからねー。 第一、持ち主はそこのマンションに住んでるんだから、お宅の方で直接話しをした方が早いんじゃないですか!」

 

え! 私は、担当官が電話口で言った 「持ち主はそこのマンションに住んでるんだから」 という一言に食いつきました。

 

「え! 相手はこのマンションの居住者ですか? やっぱり! そいつはここに住んでるんだ!」

 

担当官は、電話口の向こうでしばらく黙っていました。 うっかり余計なことを喋ってしまったと後悔しているのでしょう。

 

私は、受話器を強く握りなおし、声を大きくして言いました。「わかりました! 私の方から、持ち主に直接連絡を取って交渉しますから、その人の名前と電話番号を教えて下さい! お願いします。」

 

「いや、行政機関が個人情報をみだりに他人に教えるわけにはいきませんので。 あとは自分で調べて下さい。」 と 電話を切られてしまいました。

 

お巡りさんに、電話をかけてもらったお礼を述べ、私は、仕方なくマンションへ戻りました。

 

〝どうやって、ここに住んでるはずの バイクの持ち主を探し出すか″ を考えながら、相変わらず、エントランス前の、マンションの排水管にワイヤーロック錠でつながれたまま、雨ざらしとなっているミニバイクを、じっと眺めました。

 

雨ざらしの状態で、すでに1カ月以上経っています。車体にはすっかり錆が出ており、座席のシートも油のような汚れでベットリ! 見るからに無残な状態になってしまった。 

 

様子を見に来た警備員も言いました。「多分もう乗れないでしょう。 廃棄物ですよね。 こうなっちゃうと本当に廃車するしかないですよ。」

 

〝確かにそうだ。もし私が持ち主なら再び乗る気はしない。このまま放置して捨てるだろう″ と思いながら、今度は廃棄する時の処分費用が気になり始めた。〝もしも、管理組合で処分費用を出して下さいと理事会で言ったら、みんなになんと言われるだろう″ 新たな不安が生まれました。

 

とにかく何としても、このマンションに住んでいるはずの「ふとどきな違法駐輪者」の名前を割り出さなければなりません。

 

 このバイクに何か手掛かりが無いかよく調べてみると、車体の前面の泥よけに、微かではあるがマジックで字が書かれた跡が見えます。「溝・・眼科」と読めるような気がしました。

 

管理事務所で居住者名簿を出してもらい、それに近い名前があるかどうか時間をかけて調べました。居住者は350世帯以上ですので、けっこう時間はかかります。ほかにもやるべき仕事があるのに、こんなことに時間をかけている自分が情けなくなりました。

 

ファイリングされた名簿を何枚もめくっていくと、「溝内(仮名)」という苗字に目が留まりました。緊急連絡先に なんと「溝内眼科医院(仮名)」とあります。職業は普通会社員とか自営業とぐらいしか書かれていないのですが、この人は「医師」とまで書いてありました。

 

ひょっとしてこの人が違法駐輪者か? 可能性は極めて高いと思いました。が、反面、医者ともあろう者がこんな悪質なイタズラみたいなことをわざわざするかしらん? やることが良識ある医者にしてはあまりに「卑劣でセコい!」と思ったのです。

 

緊急連絡先として、医院の電話番号が記載されていたので、取り合えず半信半疑で電話をかけてみました。

 

「もしもし、溝内先生にお話ししたいことがあるのですが、先生はお手すきでしょうか? 私は〇〇マンションの管理をしている△△管理会社の岸本と申します」

 

受付の看護士らしい女性の声で、「先生は診察中で手が離せません」 とのことでしたので、後ほどかけ直すことにしました。 その後、午前中から午後にかけて、同様に数回電話しましたが、忙しいらしく、なかなか本人と話ができませんでした。

 

ようやく本人と話が出来たのは、午後3時近くだったと思います。「もしもし、溝内先生ですね。お忙しいところすみませんが、私、先生がお住まいの〇〇マンションの管理をさせていただいている者です。実は、先生もお気づきと思いますが、エントランス前にあるバイクの件で、ひょっとして、先生が持ち主ではないかと ・ ・」

 

と、私が最後まで説明するより前に、「知らないよ! 知らないよったら、知らないよ~~」 と、まるで子供が、知ってるくせに知らないふりをする時のような喋り方。 とても馬鹿にされているようでムカッときました。

 

「そうですか。知らないですか。先生のバイクかと思ったものですからお電話さし上げたのですが。」

 

「知らないよ! 第一、ナンバープレートが付いてるだろ! その番号で役所に問い合わせしたのかよ? とっくに廃車になってんじゃないの~?」

 

〝廃車になってることが分かっている! 自分が持ち主だと白状しているようなものだ!″ やっぱりこいつが持ち主だと確信しました。 「そうですか。先生が知らないと仰るなら、管理組合があのバイクを処分しても構わないですね?」

 

「フン! 勝手にしろよ。俺は知らないから。処分したけりゃどうぞ勝手にすれば~~。 その代り後でどうなっても知らないよ!」 と、最後は脅されてしまいました。

 

これで、持ち主には、バイクを片付けようという気が全くないことがよく分かりました。 警察も役所も頼りになりません。こうなったら、脅されようと何されようと、こちらでバイクを処分するしか無いと思いました。

 

定例の管理組合理事会にて、この悪質な違法駐輪の件について、今までの経緯を詳しく説明し、管理権に基づきバイクを処分したい旨、理事会の承認を求めました。

 

しかし、理事長をはじめ役員の面々は心配しました。「このマンションにも、ひどい奴がいるもんだね~。 それは明らかに故意だね! 何を企んでるか分からんぞ。 とにかく後になって、〝俺のバイクを勝手に処分しやがって、弁償しろ!″ なんて因縁つけられないように、よっぽど用心してやれよ! よっぽどな!」

 

そう言われて仕方なく、とにかく用心のため時間をかけて放置バイクの処分手続きを実行するすることにしました。

 

先ず、「管理権に基づき、1か月以内に持ち主が取りに来ない場合はバイクを処分します」 との掲示、及びバイクへの直接の貼り紙をしました。 ちゃんと貼り紙してある写真も証拠として撮影しておきました。

 

1ヶ月間待った後、工事業者さんからチェーンカッターを借り、バイクと建物の排水管を繋いでいたワイヤーロック錠を切断し、やっとバイクを動かせる状態にしました。

 

後から、例の溝内氏が来て「俺のバイクをどうした!?」などと因縁をつけに来るかも知れない。 そう思い、正に用心のため、そのバイクをマンションの倉庫に3カ月も隠しておきました。 3か月もですよ! その間、倉庫が狭くなって随分不便でした。本当に邪魔な廃棄物ですから。

 

3ヶ月待った後、終にバイクを処分することにしました。バイクの状態が良ければタダで引き取る業者もいるでしょう。 ネットでそのような業者を探し出しましたが、長い間雨ざらしになっていたためバイクの状態は悪く、無料で引き取るように業者と交渉するのに苦労しました。

 

結局、マンションで、ミニバイク違法駐輪事件が発生してから処分完了するまで、半年近くかかりました。 彼は何故、ワイヤーロック錠でバイクを建物に固定するなどという、こんな悪質な違法駐輪をしたのでしょう?

 

しばらく後になって考えると、1つだけ思い当たることがあります。 実は、このマンションにバイク置き場は数台分有ったのですが、当マンションが再開発物件であったため、旧地権者のみが特権的にバイク置き場の使用権を得ていたのです。 当然、地権者以外の居住者は不公平感を抱いていたでしょう。 ひょっとすると、彼の行動は、そうした不公平に対する当てつけだったのかも知れません。

   ( 完 )

 

余談ですが、この眼科医は、この事件から約1年半後、レーシック治療の違法診療で大勢の患者から訴えられ、大いに世間を騒がせた人です。 やっぱり大物だったんです(悪い意味で)。

 

違法診療で世間を騒がせた時も、私は、この人のお陰で、また ひどい目にあわされました。 その件は、いずれ後日、このコーナーでお話しするつもりですが、 明日からは駐車場裁判について、私が経験した笑える話をご紹介します。

 

     ※今月の曲 ①: 「カノン オリジナル」 名をクリックして聴いて下さい。

                                ②: 「カノン アレンジ」    曲名をクリックして聴いて下さい。

 

 


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