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投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 19:15:50 (5057 ヒット)

普通、駐車場使用料は個々の契約に基づいており、特定の専有部分に付従するとは言えないので、特定承継人が支払い義務を負うものではないとされるが、次のような事実関係の下で支払い義務があるとした判例がある。

 

事実関係

 Aマンションは管理規約で、区分所有者は管理費、修繕積立金、及び使用料(以下「管理費等」という)を支払わねばならないと定め(規約25条)、管理組合が管理費等について有する債権は、区分所有者の包括承継人および特定承継人に対しても行うことが出来る(規約26条)と定めていた。公売でマンションを買い受けたYは、管理組合に対し、前区分所有者が滞納していた管理費と修繕積立金は支払ったが、駐車場使用料とナビゲーション施設使用料(以下「使用料」という)は、それを使用した者が支払うべきだとして支払いを拒絶したため、管理組合がYに対し、支払いを求めて訴訟を提起。

 

東京簡裁 平成20年2月18日判決

  Aマンションの規約25条には、標準管理規約と異なり、管理費、修繕積立金に加えて、使用料を管理組合に支払わねばならないと明記されており、26条の管理費等には使用料が含まれると解される。そして、管理規約によれば、本件ナビゲーション設備は共用部分、駐車場は付属施設と規定されている。従って、使用料を含めて規定した規約25条、26条は、共用部分および付属施設の管理に関する事項として、区分所有法上有効な定めとして認めることが出来る。として、管理組合のYに対する使用料並びに遅延損害金の請求を認めた。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 10:49:25 (1859 ヒット)

東京地裁 平成9年6月26日判決

 管理規約により、101号室の北側敷地専用使用権の存続期間は区分所有建物存続中と定められていること、及び101号室と専用使用権の設定された敷地の位置関係からすれば、101号室の敷地専用使用権は101号室の区分所有権に「付従」する権利として、区分所有権と一体的に譲渡されることが、管理規約上も予定されている。したがって、101号室の買受人は前区分所有者の管理組合に対する敷地専用使用料の滞納額について支払い義務を負う、とした。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 01:25:20 (1567 ヒット)

東京地裁 平成6年3月29日判決

 譲渡担保は、債権担保のためにあるとはいえ、抵当権等 他の担保類型とは異なり、目的物件そのものを移転するという構成をとるもので、不動産登記上もその所有権名義を移転することになるのであるから、譲渡担保として本件建物の所有権を取得した者も、管理規約にいう区分所有者に当たる。従って、管理費等の支払い義務がある。

 


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-08 01:04:19 (1351 ヒット)

東京地裁 平成2年10月26日判決

 区分所有者は、複数の区分所有関係の発生した時期、すなわち区分所有建物の譲渡により区分所有権が発生し、区分所有権の登記等により区分所有建物であることが客観的に認識される状態になった時から、法令、規約、集会で定めるところに従い管理費等の支払義務を負う。この時期に至ったならば分譲業者であっても未分譲の区分所有権を有する以上、管理費等を支払わねばならない。

 但し、未売却住戸の売主が管理費等を負担しない旨の「特約」は無効でない(=有効)とされた事例があるので注意。

 


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2010-12-06 00:32:21 (2023 ヒット)

事件番号  平成19(ハ)28255
 件 名  管理費等
 裁判所   東京簡易裁判所 民事第5室
 裁判年月日  平成20年03月25日

主文

1 被告は,原告に対し,8609円を支払え。

2 被告は,原告に対し,2万6250円及びこれに対する平成20年1月7日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は被告の負担とする。

4 この判決は,1項及び2項に限り仮に執行することができる

第1 請     求   主文と同旨

第2 事案の概要

 1 請求の原因

   別紙記載のとおり

  (7) 平成20年2月4日,被告は原告に対し,31万2360円を支払ったので,原告は未払管理費等に充当した。

  (8) よって,原告は被告に対し,平成19年1月分から同年12月分までの未払管理費等の合計31万2360円に対する平成19年12月分の管理費等の支払期限(平成19年11月27日)の翌日である平成19年11月28日から平成20年2月4日までの年14.6パーセントの割合による確定遅延損害金として8609円及び弁護士費用として2万6250円及びこれに対する平成20年1月7日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5パーセントの割合による遅延損害金の支払いを求める。

2 争点
  原告は被告に対し,原告の弁護士費用を請求できるかどうか。

  (原告の主張の要旨)
  原告の管理規約には違約金として弁護士費用を請求できると定められている。また国土交通省標準管理規約等においても同様の規定がある。これ らの規定は,建物の区分所有等に関する法律 (以下 「区分所有法」 という。)30条1項に定める「建物の管理に関する事項」であり,被告は本件以前にも管理費等の未払いを繰り返してきたのであるから,訴訟提起のために要した弁護士費用を負担させることは何ら不合理ではない。


  (被告の主張の要旨)
  我が国において敗訴者が弁護士費用を含めた訴訟費用を負担するという制度を取っておらず,法改正等で議論されているところである。従って,管理規約に弁護士費用を請求できる旨の記載があるとしても,その規定自体が違法なものであって,被告が負担すべきものではない。

  また,簡易裁判所の事案であり,原告は本人として訴訟をすることができるのであるから,本件請求は棄却されるべきである。


第3 当裁判所の判断

 1 請求原因事実のうち,1ないし4,5(1)及び7の事実については当事者間に争いがない。

  請求原因事実のうち,5(2)及び6の事実については,証拠によってこれを認めることができる。


 2 争点について
  (1) 証拠によれば,原告の管理規約62条2項には,管理組合は,区分所有者等が管理費等を納付しない場合には,未払管理費等に加えて,年14.6パーセント以内の約定の遅延損害金及び違約金としての弁護士費用を請求することができると記載されていることが認められる。

  (2) 敗訴者に相手方の弁護士費用を負担させるかどうかについては,法制度上議論のあるところであり,今だ敗訴者に相手方の弁護士費用を負担させる旨の法律が制定されていないことは,公知の事実である。しかし,現行法制上においても,敗訴者に相手方の弁護士費用を負担させる旨の合意等(本件規約を含む)を定めることは,一律に違法とまではいうべきではなく,既存の法律の趣旨,条項に違反しない限りは,その効力を認めるべきである。

  ところで,管理費等の未納者に対し,規約において違約金を定めることは,原告のようなマンション管理組合が区分所有であるマンションを管理運営する上で必要な事項であり,区分所有法30条1項に定める「建物の管理に関する事項」に該当するというべきである。

  そして,規約において,弁護士費用相当額を違約金として規定することについては,管理費等の未納者に対しその支払いを求める場合において,事案に応じて,その手続を弁護士に依頼する場合が想定され,弁護士に依頼をすれば相応の弁護士費用がかかることになり,その費用を違約金として規約に定めること自体は合理性があり,区分所有法の趣旨に反するものではないというべきである。

 また,本件では,被告は本件以前にも管理費等の未払いがあり,本件訴訟提起後においても管理費等の未払いの状態が一定期間続いていたこと,違約金として弁護士費用相当額が2万6250円であること等を考慮すると,弁護士に対して簡易裁判所へ本件の訴えを提起することを依頼したことについて不合理であるとの点は認められない。

  (3) よって,原告の主張は理由がある。

 3 その他,原告の請求を妨げるに足りる証拠もない。

 4 よって,原告の請求は理由があるので認容し,主文のとおり判決する。