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投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-03-04 01:20:49 (1311 ヒット)

東京高裁 平成6年8月4日判決

争点

1、マンション内での動物の飼育を、具体的被害が発生しているか否かにかかわらず、共同の利益に反する行為として一律に禁止した管理規約の新たな規定の効力は有効か。
2、マンションの居住者の中に犬を飼育している区分所有者がいる場合に管理規約を改正して動物の飼育を禁止する規定を新設することが建物の区分所有等に関する法律第31条第1項にいう「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす」ものとはいえないか。
 

判決要旨

1、マンション内での動物の飼育を管理規約で一律に禁止することは、建物の区分所有等に関する法律の許容するところであり(本件マンションは動物の飼育に配慮した設計構造にはなっていない)、具体的な被害の発生する場合に限定しないからといって当該規定が当然に無効となるものではない。
2、マンションの居住者の中に犬を飼育している区分所有者がいる場合に管理規約を改正して動物の飼育を禁止する規定を新設することは、その者の犬の飼育があくまでペットとしてのものであって、自閉症の家族の治療上必要であるとか、犬が家族の生活にとって客観的に必要不可欠の存在であるなどの特段の事情がない等判示の事実関係の下では、建物の区分所有等に関する法律第31条第1項にいう「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす」ものとはいえない。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-19 22:58:11 (1833 ヒット)

事件の概要

 本事件は、スキー場近くのリゾートマンションの区分所有者であるXら4名が、管理組合の理事長と9名の理事を相手どって、その職務の執行停止の仮処分を地方裁判所に申請した事件。

その理由は、理事長らが企画し新しく設立する株式会社の出資金1000万円のうち、管理費から300万円をその出資金として支出しようとしたことにある。つまりこの出資金は規約で定められた管理費の使途以外の支出であり、それは規約違反行為であるから、理事長と理事9名の職務の執行を停止するよう、裁判所に仮処分申請を行った事件。

本件マンションは、バブル期に分譲されたものであったが、バブル崩壊のあおりで、分譲会社も管理会社のホテルも倒産し、区分所有者らの中でもローンが返済できずに、競売されたりして管理費未納者が増えていた。Yら(理事長および9名の理事ら)は、会社をつくり収益をあげて管理費をまかない、この会社に管理も請負わそうと考えたようだ。

しかし、本件マンションの規約には管理費の使途が管理に要する費用等と詳細に定められていた。管理費は、敷地、共用部分等の維持管理をするために徴収されるものであるところ、共用部分の管理等以外に、区分所有者から徴収した管理費を使用することはできない。

また、新しく設立する会社の目的が内外観光旅行の案内、斡旋および代行業務などを含み、本件マンションの管理のみを目的とした会社ではなかった。 

 

長野地裁 平成11年4月27日判決

Xらの仮処分申請に対して裁判所はXらの申請を認め、Xらに50万円の担保を立てさせ、Yらの理事長および9名の理事の職務執行を停止することを認容。そして職務停止期間中の職務代行者として、長野弁護士会に所属する弁護士を選任した。

裁判所の事実の認定は下記のとおり。

(1) Yらが本件マンションの管理組合の総会に先立ち議案書を提出しているが、その議案書中に第9期事業計画(案)として、将来の管理費等の負担軽減を図るための施策の検討(事業法人化について)の記載をしている。

(2) この議案書により総会で行われた議決は、議決権総数224名のうち出席者46名、委任状102名で、合計148人の出席により可決された。

(3) そして平成10年7月24日に、本件マンション管理組合理事長から「新会社設立による株主募集のお知らせ」と題する書面が区分所有者に送付され、そのお知らせには新会社Aは、『自主管理組合を筆頭株主とし、区分所有者からも株主になる者を募集した上で設立をなす予定である旨の記載』がされている。

(4) 会社の『定款は平成10年6月10日付けで作成されており、それによれば、上記会社の目的は内外観光旅行の案内、斡旋及び代行業務、不動産の売買、賃貸、管理およびその仲介、建物、施設及び設備の設計、施工および修繕、……リゾートクラブ、レストランの経営等となっている。

以上の事実を認定した上で裁判所は次のような判断をした。

『本件組合の規約第20条には、管理費は、委託管理費、一般管理費等通常の管理に要する費用にのみ使用しうる旨の記載がされている』とした上で、『規約によって管理費の使途が管理に要する費用に制限されている以上、上記使途以外に管理費を支出することは許されず、本件組合が出資をして筆頭株主になろうとしている本件会社の目的は「内外観光旅行の案内、斡旋および代行業務、不動産の売買、賃貸、管理およびその仲介、建物、施設および設備の設計、施工および修繕、…‥リゾートクラブ、レストランの経営、代行業務等」となっており、本件マンションの管理のみを目的としたものとはいえない以上、本件会社への出資は管理に要する費用の支出とはいえない。
 したがって、上記支出がなされたとすれば、違法な支出となる』と判示した。
 そしてYらが『滞納管理費徴収の必要性から上記目的が正当化される』旨を主張したのに対して決定は、『出資先の会社の目的が、管理費徴収のみである場合のように、目的のすべてが管理の範囲内にあるのであればともかく、本件会社の目的が管理の範囲を大きく逸脱するもので、収益により滞納管理費による負担の軽減がはかれるとしても、そのことにより直ちに支出が適法となるものではない』と厳しく断じた。
 また、総会の議案書については、『事業法人化についての概略が記載されているにすぎず、本件マンションがいわゆるリゾートマンションで、総会においても大部分の区分所有者が委任状により議決権を行使しているという実態をも加味すれば、上記議決により本件会社への具体的出資が承認されたと認められるかは疑問である』と議案書の抽象的な記述も問題にした。
 職務の執行停止命令を求める仮処分では、急いで決定を出してもらう必要性、つまり「保全の必要性」がなければならないが、本件において保全の必要性についても裁判所は認めた。
 Yらの任期は1年交替で2月までと決められていたが、決定は『本年2月に終了しているものの、規約によれば後任者が就任するまでは引き続き職務を行う旨記載されている上、理事の再任は妨げないもの』とされていることから、Yらが『次回総会にも第8回総会の第3号議案同様の議案を再提出しようとしていることからみれば、次回総会が行われる前の現段階において、Yらの職務執行を停止し職務代行者により適正な組合運営を行う必要性は存するものといえる』と保全の必要性を認め、理事長および理事9名の職務執行停止の仮処分決定を出した。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 19:15:50 (4508 ヒット)

普通、駐車場使用料は個々の契約に基づいており、特定の専有部分に付従するとは言えないので、特定承継人が支払い義務を負うものではないとされるが、次のような事実関係の下で支払い義務があるとした判例がある。

 

事実関係

 Aマンションは管理規約で、区分所有者は管理費、修繕積立金、及び使用料(以下「管理費等」という)を支払わねばならないと定め(規約25条)、管理組合が管理費等について有する債権は、区分所有者の包括承継人および特定承継人に対しても行うことが出来る(規約26条)と定めていた。公売でマンションを買い受けたYは、管理組合に対し、前区分所有者が滞納していた管理費と修繕積立金は支払ったが、駐車場使用料とナビゲーション施設使用料(以下「使用料」という)は、それを使用した者が支払うべきだとして支払いを拒絶したため、管理組合がYに対し、支払いを求めて訴訟を提起。

 

東京簡裁 平成20年2月18日判決

  Aマンションの規約25条には、標準管理規約と異なり、管理費、修繕積立金に加えて、使用料を管理組合に支払わねばならないと明記されており、26条の管理費等には使用料が含まれると解される。そして、管理規約によれば、本件ナビゲーション設備は共用部分、駐車場は付属施設と規定されている。従って、使用料を含めて規定した規約25条、26条は、共用部分および付属施設の管理に関する事項として、区分所有法上有効な定めとして認めることが出来る。として、管理組合のYに対する使用料並びに遅延損害金の請求を認めた。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 10:49:25 (1431 ヒット)

東京地裁 平成9年6月26日判決

 管理規約により、101号室の北側敷地専用使用権の存続期間は区分所有建物存続中と定められていること、及び101号室と専用使用権の設定された敷地の位置関係からすれば、101号室の敷地専用使用権は101号室の区分所有権に「付従」する権利として、区分所有権と一体的に譲渡されることが、管理規約上も予定されている。したがって、101号室の買受人は前区分所有者の管理組合に対する敷地専用使用料の滞納額について支払い義務を負う、とした。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2011-02-09 01:25:20 (1207 ヒット)

東京地裁 平成6年3月29日判決

 譲渡担保は、債権担保のためにあるとはいえ、抵当権等 他の担保類型とは異なり、目的物件そのものを移転するという構成をとるもので、不動産登記上もその所有権名義を移転することになるのであるから、譲渡担保として本件建物の所有権を取得した者も、管理規約にいう区分所有者に当たる。従って、管理費等の支払い義務がある。

 


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