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投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2010-09-17 23:14:48 (1705 ヒット)

Q:管理費の増額に当たって、ある専有部分の賃借人から、”管理費の値上げは、事実上賃料の値上げにつながるので、この件については賃借人にとって利害関係があり、区分所有法第44条1項に基づいて、総会で意見を述べたい”旨の申入れがありました。この賃借人に意見を述べさせる必要がありますか。

A:占有者は自らの利害関係に大きく関わる決議事項については、総会に出席して意見を述べる機会を与えられ、占有者の利益保護が図られています。(法第44条1項) 但し、この意見陳述権は「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者」が、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」場合に行使できます。 

質問内容から、マンションの賃借人とのことですので、「区分所有者の承諾を得て専有部分の占有を行っている」という条件は満たしていると考えてよいでしょう。

では、もうひとつの条件である「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」には該当するのでしょうか?ここでいう「利害関係」とは法律的な利害関係を指すのであって、単なる事実上の利害関係を含まないと解されています。法律的利害関係とは、建物等の使用方法を定めた規約の設定、変更など、占有者が直接拘束されるものと考えられています。(法第46条2項)

管理費の値上げの場合、それが賃料の増額という形で占有者に影響が及んでくることが考えられますが、これらは間接的な利害関係であり、法律上の利害関係とは区別されて考えられています。なぜなら、管理費が値上げされたからといって必ずしも賃料が値上げされる訳ではないからです。また、管理費の値上げは賃料の値上げと直接連動している訳ではないと考えると、管理費の値上げの決議は占有者が直接拘束される決定とは考えられず、利害関係があるとしても、法律的な利害関係ではなく、単なる事実上の利害関係にあたると考えられます。よって、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する」という条件を満たさないので、この件で、占有者が総会に出席し意見を述べることを認める必要はないと考えられます。


投稿者 : kishimoto 投稿日時: 2010-09-17 23:06:07 (4924 ヒット)

Q:当マンションの管理規約には、標準管理規約(単棟型)第12条と文言もまったく同じ「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」という規定があります。この規定がある場合、専有部分であるところの住戸で主婦のアルバイト程度の小規模の学習塾や託児所等を開くことは可能でしょうか?

 

A:標準管理規約(単棟型)第12条コメント
住宅として使用は、専ら居住者の生活があるか否かによって判断する。
したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。

標準管理規約第12条「専ら住宅としての使用」にあたるか否かは、コメントにありますように、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断されることになります。このため、専有部分の利用方法については、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することが必要になるわけです。

例えば、

  1. 一般的な内職
    これは、住戸に特に影響を与えるものではないので、認められると考えます。
  2. 華・茶道、書道などの伝授
    それらの伝授は、小人数の者を対象とする場合には問題ないが、規模、人数によっては平穏さに疑問があり、認められないケースもありえます。
  3. 塾やピアノ教室、託児所の経営
    規模や人数、教授の時間帯や周囲の状況などによって判断する他はないが、住宅地にあるマンションでは、認められない場合も出てくると考えます。
     

 


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